「わたしは目撃者」について


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投稿者 ユーベ 日時 1998 年 2 月 08 日 04:42:03:

多分誰も話題にしないであろう「わたしは目撃者」について書かせてもらいます。初期のアルジェント作品はヒッチコック的サスペンスにサイコキラーの要素を絡めた感じで、脚本も結構しっかりしてるんですけど、この作品はなかなか出来がよくて、特に好きな作品です。
ホラーの要素は低く、ダリオ的映像美も影を潜めているように見えますが、所々で見せる狂気の映像世界!犯人の秘密を握った医者が駅で待ち合わせをする所で、犯人に押されてホームから転落し、電車にぶつかるショット。顔に電車の鉄板がめり込み、顔が歪んでいくスローモーション。その後、死体は車輪に絡まり数回転。それだけではなく、別の取材で現場に居合わせた記者が偶然撮った写真がキーワードに。その辺が上手い。また、犯人の殺しのシーンもいつものアルジェント手法がとられ、作品のサイコ色を高めてくれます。
そして、ラスト、犯人が事件を探る盲目の男(カール・マルデン)の愛する姪を人質にとり、その後盲目の男に追いつめられて姪を殺したと嘘をつき、エレベーターシャフトの天辺から突き落とされるシーン。エレベーターを支えるワイヤーに手を擦らせながら転落するんですが、痛々しいし、なんか怖かった記憶があります。転落の後、姪の「クッキー、クッキー(盲目の男の愛称)」の声が空しく響く…。
素晴らしい映画です。犯人もなかなかわからず、最後犯人の顔が割れた時、それまでの色々な犯人を暗示させるシークエンスが脳裏をよぎる。犯人の眼球のアップも印象的です。
「サスペリア」シリーズ、「フェノミナ」のようなホラー色の強い映画が好きな方にはお勧めできませんが、昔ながらのサスペンスが好きな方にはたまらない一本でしょう。誰かこの映画好きな方いませんか。


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